本日は旅の最終日。自宅への帰路である美濃に宿泊する予定だ。
ちょっとその前に世界遺産へ寄り道。玉ねぎの島から姫路城へ向かう。車の窓から見えてくる姫路城が想像以上に大きい。それもそのはず、姫路城全体を回る場合は2時間程度かかるそう。大勢の観光客に紛れて城に近づくと、その綺麗な造りと大きさにため息が出る。ゆっくりお城を眺めていると、モーイからも短いため息が聞こえてくる。「城ばかり見てないで、あたしを見て!お散歩行くわよ!」と言われたので、お城の周りを一周し人も犬も程よく充足感を味わった。
【この城の姫君かな?】
姫路城から高速で5時間かっ飛ばし、一直線で美濃に到着。美濃は和紙作りを伝統とした街であり、街の中に和紙の芸術作品があるなど独特の雰囲気が漂っていた。美しい古い街並を歩いていると、犬を散歩していた地元の方とお話しすることになった。歩いていた街並みが「うだつの上がる街並み」という名称で、この「うだつ」は火災が起きた際に隣に燃え移る事を防ぐため、屋根の両端を一段高くした防火壁のことだそうな。「うだつ」は裕福な家のみが作ることができたため、庶民の憧れから「うだつが上がらない」という一般的に使われている言葉ができたという。
やはり地元の方のお話を聞くことがその街の事を深く知れるなあ、と再認識をした。人間達が長々と話していると、初めは遊んでいた犬達も飽きてきたので、地元の方にお礼を言い散歩を再開した。
【うだつが上がるモーイとうだつが上がる街並み散歩】
街並みを一周し気分もうだつが上がったので宿へと戻る。宿は紙問屋の地主が所有する100年の歴史がある邸宅を改修し、さらに、ドッグラン付きの犬にも優しい建物となっていた。木の香りがする日本建築と芝が広がる庭にモーイ大興奮。犬にもこの良さがわかるのね。芝を全速力で駆け回るモーイの姿を見て、将来は広い庭付きの家に住む事を決意した(稼がねばならぬ)。ひとしきり遊び、日本家屋にホッと心と体をあずけて穏やかに時間を過ごした。
【庭最高!!】
【ハンモックもあるよ】
翌朝、これまたホッとする美濃の食材を使用した朝食をいただいた。旅館の何が良いかって、この日本の朝食なのですよ。ご飯を4杯お代わりをしてこれでもか!という程に美濃の美味しさを胃袋に詰め込んだ。
お腹も心も満たされたので自宅に向かって出発!旅がもう終わるのか〜と思い出を振り返りながらセンチメンタルになっていると、車の後方からゴゴゴゴゴゴ......と聞いたことの不穏な音が聞こえてくる。それも徐々に大きくなっていき車全体に鳴り響いくようになった。本能的にこれはヤバイ!と車を降りると、なんと左後輪がパンクしていたのである。しかも周りに何もない田舎道で。
【これも旅の醍醐味?】
少々パニクったが、私たちには文明の力を集結したスマホがある。近くのタイヤ屋、タイヤ屋まで行くタクシー、車を運ぶレッカー会社、費用の補償をしてくれる保険会社に迅速に電話をし、パンクからわずか2時間で再出発することに成功したのだ。
ただ一点問題発生。タクシーにモーイを乗せることができなかったので、タイヤ屋まで1時間半歩くことに。モーイにとっては尻尾フリフリな最高の散歩時間であり、全くもってノープロブレム。田舎道だったのでヤギにも会えるおまけつき。結果、タイヤパンク事件も良き思い出として記録された。
【ヤギさんこんにちわ】
新調したタイヤのおかげか、2時間の遅れを感じさせないスムーズな走りによって自宅に無事に到着した。
ハプニング込みで長旅はやっぱりいいね!自宅で皆泥のように寝転びながら次の旅計画を立てるのであった。